HACCPは、HazardAnalysisandCriticalControlPointを意味します。
日本語にすれば「危害要因分析重要管理点」となります。これはアメリカで誕生した衛生管理の手法で、原料の受入から製造、出荷に至るまでを管理するものです。主に食中毒対策を目的としており、健康被害を未然に防ぐために導入されるわけです。製造過程を段階ごとに分けて、科学的根拠に基づきながら衛生管理するものです。危害要因となるハザードは、生物学的や化学的、そして物理的要因が挙げられます。
そうした要因を細かく抽出し、リスクの除去及び低減を図ることがポイントになります。中でもリスク度が高い工程においては、点検・管理の基準が細かく設定されています。それらが基準に合致しているか、検証することもHACCPの重要な要素です。日本国内でHACCPがスタートしたのは、1995年のことです。2014年には各都道府県で、当手法の導入がなされるようになります。
従来の衛生管理手法では、製造施設や設備、食品関連の取扱い方法を定めるものでした。そして最終製品が安全基準を満たしているかどうかが確認するのが目的となっています。それに対してHACCPでは、製造工程そのものを見直すものです。それぞれの行程の危険要因を抽出し、重要工程では重点管理・検査が行われるわけです。各工程が全てクリアされれば、最終的な製品に関しても安全性が高いと言えるものです。ただしHACCP導入に際しては、従来の衛生管理手法も併用されることになります。