厨房で働いた経験のある人なら容易に想像できる点ですが、厨房で行う作業の中でも一番気を配る必要があるのは冷蔵庫の温度管理でしょう。
基本的に言って、細菌の増殖を抑えることができるかどうかは、温度に依存していると言われています。通常、10度以下では細菌の増殖がゆっくりになり、マイナス15度以下では細菌の増殖はほとんど停止することが観察されています。そのため、食材を安全な状態で保存するためには、冷蔵庫の温度管理は不可欠であると言えるのです。では、業務用冷蔵庫の中の温度管理をしっかりと行うためには、一体どんな点に注意したらよいのでしょうか。
留意しておきたい一つの注意点は、冷蔵庫の中に食材を詰め込み過ぎないよう注意するということです。あまりに多くの食材を詰め込んでしまうと、冷気が十分に行き渡らなくなって適正な温度に保つことが難しくなってしまいます。ベストなのは、冷蔵庫の容量を70パーセント以下にとどめることだと言われています。また、温度管理の目的は衛生管理ができるようにすることであるとも言えます。
つまり、食中毒などが起きないよう良い衛生環境を保つ必要があるというわけです。そのためには、食材を冷蔵庫内で保管するに当たって、エリアを分けて保管することができるでしょう。例えば、魚や肉は他の食品を汚染させないようにするために最下段で保管する、殺菌・加熱済みの食材は最上段に保管する、といった具合いです。このようにして温度管理を徹底させつつ、食品の相互汚染を防ぐことができます。